CELLINKが推進する宇宙開発の未来とは

宇宙探査には、まだ十分に解明されていない多くの生理的影響が伴います。宇宙ミッションの期間と回数を増やし続けるためには、宇宙環境の厳しさによって私たちの体がどのような影響を受けるかをさらに知る必要があります。

この取り組みにおいて、CELLINKはUppsala大学のElena Kozlova教授率いる研究チームと共同で、バイオプリントされた幹細胞を宇宙へ送り出すことに成功しました。 当社のヨーテボリオフィスにて、CELLINK バイオインク と GelMA を使い、BIO Xで細胞をバイオプリントしたサンプルを、スウェーデン国立宇宙委員会が6月24日にMaser14ロケットで打ち上げることに成功しました。

研究について

この研究では、重力が細胞の性質にどのような影響を与えるかを調べています。

現在、宇宙空間は細胞の増殖速度を高め、組織の成熟を早めるという説が有力です。これまでの研究から、重力は細胞の種類によって異なる方法で増殖や分化の速度に影響を与えることが分かっています。

研究の目的

この研究には、主に以下2つの目的があります。

  1. bNCSCが微小重力にさらされた後、他の細胞をサポートする幹細胞性と能力を維持できるかどうかを調査すること
  2. CELLINKがスキャフォールド(足場)として、細胞とその増殖特性をどの程度保護しているかを確認すること

bNCSCが採用された理由

宇宙飛行士の細胞を分離して研究することは不可能です。このような研究は、細胞のサンプルを小さく分けて送ることによって行われます。

bNCSCsは増殖します。この性質を利用して、宇宙空間が増殖と発達にどのような影響を与えるかについて多くの知見を引き出すことができます。

実験方法

細胞のプリントはヨーテボリオフィスで行われました。BIO Xでプリントを行い、CELLINKバイオインクとCELLINK GelMAで宇宙での高G環境に対抗する環境を整えました。

「初のバイオインク企業であり、バイオプリンティングソリューションのリーディングカンパニーであるCELLINKは、バイオファブリケーション分野で特別な地位を占めており、共同研究者のニーズを満たす検証済み組織モデルを開発する方法について深い専門知識を提供しています。堅牢で再現性の高い細胞サンプルでUppsala大学をサポートすることにより、CELLINKは宇宙旅行の未来をより身近なものにします」とCELLINKの最高科学責任者であるItedale Namro Redwanは述べています。

宇宙の商業化が進んでいますが、重力の細胞への影響の理解が深まれば、宇宙飛行士が宇宙にどのように反応するかを遺伝子レベルで理解することができるようになります。この研究で得られた知見は、政府および民間事業者の宇宙ミッションの拡張・強化を可能にする強い可能性を持っています。