Grissel Trujillo de Santiago博士が、BIO Xを使用してロレアル賞を受賞

Tecnológico de Monterrey(モンテレイ工科大学、メキシコ) 理工学部のGrissel Trujillo de Santiago博士は、5月3日に「2019 Women in Science L’Oréal-Unesco-Conacyt-AMC Award」を受賞しました。先生の研究は、カオスを利用して組織を開発することにあり、そのために当社のBIO Xを導入されました。

Trujillo博士が受賞した研究は、「Use of continuous chaotic 3D bioprinting to manufacture vascularized tissues(連続カオス3Dバイオプリンティングによる血管新生組織の作製)」です。先生の研究グループは、カオス流を利用して、複雑で高分解能の微細構造を高速に作製しています。

Trujillo博士は、牛乳やコーヒーなどの単純な成分を用いて、同様のカオス流を利用した微小構造を作り、最終的には人間が持つような小さな組織片を開発することを研究しています。これまでの研究を通して、カオス流の微細構造が、機能的な組織にとって重要であることを発見しました。この画期的な研究は、2018年の『Materials Horizons』の表紙にも掲載されました。

「完全な臓器のプリントは、今はまだSFの世界のようなものです。しかし、科学界で私たちは急速な進歩を遂げています。私たちはその夢の実現に近づいています」とTrujillo博士は語ります。

将来的には、Trujillo博士の研究が、移植を必要とする患者さん用の組織のバイオプリントや機能的な臓器の開発に役立つと考えられます。近い将来、このプロジェクトの組織や臓器モデルを医薬品や化粧品の研究所で使用することで、動物実験を減らす、あるいは完全になくすことができるようになるでしょう。

科学分野への女性の参加を促進するために、メキシコ科学アカデミー、ロレアル・メキシコ、そしてユネスコ・メキシコ協力委員会は、毎年その分野の研究を推進する5人の女性を表彰しています。この受賞により、Trujillo博士に研究を支援するための10万ペソ(5,200ドル)が支給されます。正式な授賞式は2020年10月7日に開催予定です。