ナノ多糖類で安定化させたDIW用多相ゲル

開催日時:2024-02-27 09:00:00

CET | 5 p.m. JST

登壇者:

Prof. Long Bai, Northeast Forestry University. China

SPEAKER

Dr. Long Bai

Professor at Northeast Forestry University (NEFU), China

27 FEB
2024

9 a.m. CET
4 p.m. CST
5 p.m. JST

概要

直接インクを書き込んで3DプリントをするDirect Ink Writing (DIW) は、剪断薄膜化挙動、高貯蔵弾性率、高降伏応力など、様々な特性を持つ機能性ゲルにより実現されます。本ウェビナーでは 、ナノ多糖類をベースにしたDIW用ゲルの魅力について深掘りします。

木材由来のセルロースナノファイバー(CNF)やカニ由来のキチンナノファイバー(ChNF)といったナノ多糖類は、容易に強固な水性ネットワークを形成するため、このような目的に特に適しています。

Dr. Baiとその研究チームは、DIW用ナノ多糖類ベースの多相システムに関する研究の最前線でご活躍されています。今回は、先生のご研究のうち、以下についてご紹介いただきます:

  • エマルジョンベースの多相構造インク:低固形分でも造形性の高いインクの設計に成功しました。このエマルゲルには、乾燥後の収縮や変形を防ぐために、特定の成分が組み込まれています。
  • スキンベアリング構造:チームが開発したエマルゲルを用い、ワンステップDIWによってスキンベアリング構造を実現しました。この工程では、造形中に自然に相分離が発生します。
  • 強度と応用:この研究により、エマルゲルを用いた造形物の強度をDIWが大幅に向上させることが実証されました。これらの材料は、細胞培養などの実用的な応用が可能であり、多機能材料の設計におけるDIWの効率性と汎用性を示唆しています。

講師ご紹介:

Dr. Long Baiは、現職である中国東北林業大学(NEFU)教授として2021年に着任されました。2016年にNEFUでバイオマス材料・工学の博士号を取得後、アールト大学(フィンランド)およびブリティッシュコロンビア大学(カナダ)のポスドク研究員としてOrlando Rojas教授のグループに所属しておられました。

主な研究テーマは、バイオエコノミーの枠組みのもと、再生可能で持続可能な材料やプロセスの普及を促進するために、ナノ多糖類をベースとした多相系を用いて基礎科学と応用科学を結びつけることです。

先生は、Chemical Reviews誌、Nature Sustainability誌、ACS Nano誌、Advanced Functional Materials誌など、数多くの学術誌で査読付き論文を執筆されています。また、中国国家自然科学基金などの助成金を受けるなど、幅広くご活躍されています。

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