障壁を破る – 血管構造を持つ皮膚のプリンティング

導入先

Rensselaer Polytechnic Institute(レンセラー工科大学、アメリカ)

研究チーム

Pankaj Karande, Tânia Baltazar, Jonathan Merola, Carolina Catarino, ほか

課題

現在の人工皮膚移植製品は、創傷治癒を促進するものの、患者の皮膚組織と統合されないため、最終的には脱落してしまいます。人工移植片には機能する血管系がないことが、大きな障壁となっています。

解決策

Karande氏と彼の研究チームは、BIO X温度制御プリントヘッドを使い、ヒト内皮細胞、ヒト周皮細胞、動物コラーゲンを含むバイオインクを開発しました。温度安定性と細胞に優しい設計により、これらの造形物を確実にプリントできます。

結果

この重要な要素の組み合わせにより、細胞は伝達を開始し、さらに重要なことは、数週間以内に生体血管と類似の構造を有する血管構造を形成し始めます。血管形成が始まると、栄養素と老廃物を交換し、移植片の生存を維持できます。さらに、このグループの重要な開発は、特定の状況に合わせたソリューションを提供できる精密医療における 3Dバイオプリンティングの大きな可能性を示しています。

Karande教授による研究のご紹介は、こちらからご覧いただけます。

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Tânia Baltazar, Jonathan Merola, Pankaj Karande et al. Tissue Engineering Part A. 2020