バイオプリントコラーゲンナノコンポジットの骨修復への応用

導入先

University of Turin(トリノ大学、イタリア)

研究チーム

Giorgia Montalbano, Giulia Molino, Sonia Fiorilli, および Chiara Vitale-Brovarone

課題

骨粗鬆症と骨の力学的劣化は、毎年何百万人もの人々に影響を与えており、骨折や寝たきりにつながります。そのため、再生医療戦略が早急に求められています。しかし、コラーゲンを用いて複雑な形状のバイオプリントを行うことは難しく、I型コラーゲンやハイドロキシアパタイトを用いた足場の多くは、凍結乾燥や金型を使って作製されるため、バイオエンジニアにとって構造物の最終形状や多孔性の制御が課題でした。

解決策

トリノ工科大学の研究チームは、BIO X温度制御プリントヘッド、ゼラチンサポートバス(FRESH法)を組み合わせて、I型コラーゲンを用いた高さのある複雑な骨の足場を3Dバイオプリントすることにより、これらの課題を軽減しました。

結果

本研究では、高分解能3Dバイオプリンティング用材料として、コラーゲンナノコンポジットの可能性を検証することができました。また、このハイブリッド材料を用いることが、生体模倣型の患者専用骨類似足場をオンデマンドで作製するための重要な一歩となることが示唆されています。

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Synthesis and incorporation of rod-like nano-hydroxyapatite into type I collagen matrix: A hybrid formulation for 3D printing of bone scaffolds. Journal of the European Ceramic Society. 2020. DOI: 10.1016/j.jeurceramsoc.2020.02.018.