骨の組織工学と血管化のためのバイオプリンティング戦略

22 May 2023 | 4:00 PM JST | 3 PM SGT | 9 AM CEST

Speaker: Dr. Olivia Kérourédan

Associate Professor in Bordeaux University, France

JSPS postdoctoral fellow in Kyoto University (2022/2023), Japan

SPEAKER

Dr. Olivia Kérourédan

Associate Professor in Bordeaux University, France

JSPS postdoctoral fellow in Kyoto University (2022/2023), Japan

22 MAY
2023
4 p.m. JST
3 p.m. SGT
9 a.m. CEST

概要:

外傷、感染症、腫瘍、遺伝的疾患などによる大きな骨欠損は、臨床上の課題であり、公衆衛生上の大きな関心事となっています。既存の治療法には限界があるため、有望な選択肢として組織工学戦略が導入されています。しかし、人工骨には血管がないため、骨との結合が悪く、壊死の危険性が高いという大きな欠点が残されています。これらの限界を克服するために、組織工学の分野ではバイオファブリケーションが登場しました。

本ウェビナーでは、血管を持つ骨組織の再生を促進するためにバイオプリンティング技術を用いた研究成果をご紹介いただきます。骨と血管の関係、骨組織工学で用いられる前血管形成戦略、共培養モデルで明確な構造を持つ微小血管網を生成するバイオプリンティング手法などについてお話しいただきます

主なトピック:

  • 骨と血管の関係
  • 骨の組織工学に用いられる血管新生戦略
  • 共培養モデルにおける微小血管網の形成とバイオプリンティング手法の関連性

講師ご紹介:

Olivia Kérourédan博士は、歯学博士、細胞生物学と病態生理学の博士号を持ち、フランス、ボルドー大学歯学部の准教授を務めておられます。現在、BioTis研究所のメンバーとして、血管性骨再生とバイオプリンティングの分野で複数の研究プロジェクトを実施されています骨再生時の血管形成プロセスを研究・改善するために、レーザー支援バイオプリンティング(LAB)を用いて組織化した複数の共培養モデルを開発されました。博士課程での研究では、骨再生のためのLABを用いたin situ前脈管形成からなるin vivo実験を実施し、血管再生とバイオプリンティングの分野でプロジェクトリーダーとして研究課題に取り組まれました(Fondation de l’Avenir, Fondation des Gueules Cassées, Institut Français pour la Recherche Odontologique, Fondation ARC Recherche sur le Cancer, Japan Society for the Promotion of Scienceの支援による)。その活動により、国際論文19本、国際ブックチャプター2本編を発表し、10件の受賞歴、国際会議での口頭発表15回の経歴をお持ちです。

2021年と2023年には、在日フランス大使館から招待を受け、「French Japanese Workshop on Additive Manufacturing」において研究発表を行い、バイオプリンティングに関するセッションの議長を務められました。現在京都大学の客員研究員として、1年間日本に滞在し研究を行っています(受入研究者:田畑泰彦教授、生体材料学研究室)。

Speaker Olivia
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