INKREDIBLEで絹の力を活用した、タフツ大学の研究

導入先

Tufts University(タフツ大学、アメリカ)

研究チーム

Xuan Mu, Yu Wang, Chengchen Guo, ほか

課題

David Kaplan博士の研究グループは、絹タンパク質の階層的な分子集合体を研究しており、デジタル製造におけるタンパク質性構造の適切な発達を確保するための重要なパラメータを特定しました。彼らは絹を使った3Dプリンティングとその再生医療への応用を目指して、カイコやクモが行っている天然の水性溶媒条件の再現を試みました。

解決策

研究チームは、さまざまな無機塩を含む水系溶媒を合理的に設計し、カイコやクモが絹糸を生成するのに重要な溶媒条件を模倣しました。リン酸二カリウムや塩化ナトリウムなどの無機塩を適切なpHで添加して、絹タンパク質の自己組織化をサポートしました。このプロセスを通じて、彼らはINKREDIBLE システムでプリントできるバイオインクを開発したのです。

結果

研究者らは、シルクフィブロインから、望ましい生体適合性、機械的強度、形状の複雑さを示す3次元マクロスケール構造体を構築することができました。INKREDIBLEバイオプリンタ を使って、ドラッグデリバリーから外科用インプラント、組織スキャフォールドまで、幅広いバイオメディカルデバイスのエンジニアリングにつながる可能性のある汎用性の高い3次元構造を作製することができたのです。

続きを読む

3D printing of silk protein structures by aqueous solvent‐directed molecular assembly. Macromolecular Bioscience. 2020; 20(1): 1616. DOI:10.1002/mabi.201900191.