革新的戦略と体験的アプローチ

3Dバイオプリンティング教育の推進

「3Dバイオプリンティングは、生物学、工学、材料科学の専門知識を必要とする、まさに学際的な分野です。これらの異なる分野を組み合わせることで、バイオメディカル分野での応用において、これまで不可能であった斬新なソリューションを生み出すことができます。」
– Yeong Wai Yee教授

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Yeong Wai Yee教授の指導のもと、BIO Xを使用する学生

Yeong Wai Yee教授は、3D バイオプリンティング の分野で名高い研究者であり有識者です。現在、シンガポール3Dプリンタセンター(Singapore Centre of 3D Printing, SC3DP) の責任者であり、シンガポールの南洋理工大学(Nanyang Technological University, NTU)の機械・航空宇宙工学部の教授を務めていらっしゃいます。

Yeong教授は、3Dバイオプリンティングの分野、特に3Dバイオプリンティング用の新材料開発と、複雑な組織構造の作製において多大な貢献をされてきました。先生の研究は、機能的な組織や臓器を作るために、ハイドロゲルやバイオインクなどの生体適合性材料を使用することに重点を置いています。 

研究の他にも、Yeong教授は教育者・指導者としても高く評価されており、3Dバイオプリンティングの分野で数多くの大学院生や博士研究員を指導されてきました。また、講演者としても人気があり、世界中の数多くの会議やワークショップで研究発表を行っています。

「教育学の唯一の基準は自由であり、唯一の方法は経験だ」
- レフ・トルストイ

CNA が3Dバイオプリンティングに関してYeong Wai Yee教授を取材:

教育現場における3Dバイオプリンタの課題

教育現場でバイオ3Dプリンタを使用する場合、技術に精通していない、機器へのアクセスが限られている、安全性への懸念がある、使用手順が複雑である、カリキュラムに統合されていない、などの課題があります。これらの課題を克服するためには、教育者、研究者、業界関係者が協力し、学生がバイオ3Dプリンタを効果的に使用できるよう、適切なトレーニング、機器、リソースを提供する必要があります。 

Yeong Wai Yee 教授は、学生を成功に導くために尽力されてきました。また、学生が3Dバイオプリンティングの分野を学び、探求するのに役立つ機能がBIO Xには備わっている、と先生はおっしゃいます。その主な機能として、ユーザーフレンドリーなインターフェース、モジュール式のデザイン、安全機能、バイオマテリアルの汎用性、そして他のツールやソフトウェアとの統合性が挙げられました。

「教職は、他のすべての職業を教える職業である」

当社とのコラボレーションについて尋ねると、Yeong教授は次のように答えています:

CELLINKとの協力により、先進技術へのアクセス、トレーニングとサポート、コラボレーションとネットワーキングの機会、研究と産業の進歩などが可能になります。全体として、CELLINKと提携することで、3Dバイオプリンティング教育の課題を克服し、この分野に大きな影響を与えることができます。」

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Yeong Wai Yee教授の次なるステップとは

3Dバイオプリンティング教育の最前線に立ち続けるための施策について、Yeong Wai Yee教授にお話を伺いました。

「バイオマテリアル、バイオリアクター、細胞、バイオミメティックデザイン、バイオファブリケーションプロセスなど、さまざまな領域を横断するカリキュラムが必要です。革新的でバランス良く、かつ体験的なアプローチで、学習者に知識を提供する必要があります。」さらに、バイオプリンティング教育を他の学問分野と融合させるという構想も述べられました。バイオプリンティングがデザインツールとして機能することで、この分野における教育のさらなる促進が期待されます。

また、教育用教材の出版が、3Dバイオプリンティングの統合的かつ決定的なガイドになるだろうと考え、これがYeong Wai Yee教授が2015年に出版した教科書『Bioprinting: Principles and Applications(バイオプリンティング:原理と応用)』を執筆する動機となった理由です。現在他の大学においてもバイオプリンティング教育で使用されています。

さらに教授は、工学教育全般、特にバイオプリンティングにおいて、体験がいかに重要な要素であるかを語ってくれました。「3次元CADの設計や材料の配合など、必要なスキルを学ぶワークショップでは、3Dバイオプリンティングにおけるバイオマテリアルとデザインの相互関係に目を向けさせることができます。

「CELLINKのような企業との協力関係は、実際にこの技術がビジネスの現場で活用されているということを知ってもらえるので、学生たちの関心を呼び起こしてくれます。」

意欲的な方には、オープンアクセスの『International Journal of Bioprinting(バイオプリンティングの国際誌)』を先生は薦めています。これにより、学生は教室の壁を越えて学び続けることができます。

ーー 同じ業界で研究活動をする方に、励ましやアドバイスがあれば教えてください。

 「効果的な学習プロセスを確保するために、最新の情報を最もインパクトのある方法で学生や学習者に提供する新しい教育戦略が必要です。最大限の効果を得るために、さまざまなコミュニティとパートナーシップを築くことで、カリキュラムに体験的な要素を組み込むことができます。    

3Dバイオプリンティングのような新しい技術のための優れた教育カリキュラムは、この知識領域の発展に舵を切り、前進させるのに役立つでしょう。最も重要なのは、この未来的な技術について、次の世代の好奇心をかき立てていくことです!」

Imagine. Bioprint

未来の健康についてどのようなことを想像しますか?バイオプリンティングと3D細胞培養を活用することで、研究の限界を押し広げ、発見を加速してください。