BIO Xを使用した、心臓組織応用向けの新しいバイオインク組成の開発

導入先

Aalto University(アールト大学、フィンランド)

研究チーム

Rubina Ajdary, Siqi Huan, Nazanin Zanjanizadeh Ezazi, ほか

課題

多くのバイオインクは、造形後の形状を維持するために、バイオプリント後に安定化させる必要があります。安定化は、複雑なレオロジー特性をもたらす成分の添加や、細胞を支持しない可能性のある添加物を含めることによって達成することができます。安定化可能な単一成分のバイオインクの開発は、バイオプリンティングワークフローを簡素化するために重要です。さらに、移植用の構造物を作成する際には、材料のコストと調達が重要になります。特に、バイオプリンティングでは、生産において持続可能かつスケーラブルで、一貫した特性を持つことができるバイオインクを開発する必要があります。

解決策

アールト大学の研究チームは、アセチル化によって修飾できる樹木から得たナノセルロース(CNF)を使用しました。この材料は、持続可能で広く利用でき、簡単にコントロールすることができます。 このナノセロース系材料を使った、未修飾CNF、アセチル化CNF(AceCNF)、TEMPO酸化CNF(TOCNF)など、いくつかのバイオインク組成が評価されました。また、レオロジー技術による事前スクリーニングを行い、BIO Xでプリント適合性を確認しました。各材料に基づく最適なバイオインク組成を、多孔質格子構造体に加工し、その形状および凍結乾燥・再水和時の安定性を評価しました。BIO Xでは、一貫性のあるプリントで各マテリアルを比較することができ、作製の自動化も実現できました。

結果

得られた構造は、単一成分のバイオインクから作製され、プリント後、凍結乾燥中、凍結乾燥後も安定性を示しました。細胞生存率試験により、細胞が最大21日間筋芽細胞と適合性があることが確認され、細胞が構造物と相互作用して増殖したことが示されました。さらに、構造物は細胞に対して無毒性であることが示されました。再水和後の安定性を確認したところ、これらのバイオインクとこの技術が、心筋再生の基材となる構造物を安価に安定して作製・保存できることが示されました。

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Acetylated nanocellulose for single-component bioinks and cell proliferation on 3D-printed scaffolds. Biomacromolecules. 2019; 20(7): 2770. DOI: 10.1021/acs.biomac.9b00527