天然高分子から新たなバイオインクを開発する、INKREDIBLE+を使ったイタリアの研究

導入先

University of Pavia(パヴィア大学、イタリア)

研究チーム

Silvia Pisani, Rossella Dorati, Franca Scocozza, ほか

課題

一般的に、ゼラチン、コラーゲン、アルギン酸、フィブリンなどのハイドロゲルは、その細胞外マトリックス(ECM)特性から、3Dバイオプリンティングや組織工学に使用されています。しかし、他の天然ECM様高分子の探索は遅れていました。天然の生体適合性・生分解性ポリマーであるキトサンは、創傷被覆材としてFDAやEMAから使用が承認されていますが、生理的条件下では安定していません。

解決策

Conti etらは、イオン的相互作用とレオロジー特性を持つ、キトサンとγ-PGA構造を特定の濃度の生体高分子と架橋剤で一緒に3Dバイオプリンティングすると、より好ましい構造が得られることを発見しました。INKREDIBLE+を使用して、このバイオインク組成のバイオプリンティング特性を調べ、その他の天然ECM材料製剤と比較しました。

結果

INKREDIBLE+が作り出した3D構造では、キトサンとγ-PGA組成には生体適合性があり、人間の動脈や静脈よりも大きなせん断応力下で安定していることが確認されました。

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Preliminary investigation on a new natural based poly(gamma‐glutamic acid)/chitosan bioink. Journal of Biomedical Materials Research Part B: Applied Biomaterials. 2020. DOI: 10.1002/jbm.b.34602.