GelXシリーズ

2つの作用を持つ汎用性バイオインク

CELLINKのGelXシリーズはメタクリル酸ゼラチンで構成されており、架橋可能なゼラチンネットワークが持つ優れた生物学的特性と広範な温度条件での高いプリンタビリティを兼ねそろえています。このバイオインクが持つ使いやすさと汎用性は、軟組織や硬組織モデルのバイオプリントを容易にします。このシリーズにはリン酸三カルシウム、ラミニン、フィブリノゲンで修飾されたバイオインクも用意されており、細胞株、幹細胞、初代細胞を含めたあらゆる細胞種にとって最適な環境を作ることが可能です。
GelXをベースにしたバイオインクはGelMAの生物学的特性を持つ一方で、広範な温度でプリンタビリティを持ちます。GelXシリーズを組織工学に用いる際、ユーザーは2つの培養条件を選ぶことができます。これはすなわち一般的な培養条件で構造物を培地に沈める条件か気液界面培養の条件であり、ともに表皮や上皮組織モデルにとって重要な手法です。

製品シリーズ:

GelXG

GelXGはゼラチンをベースにしたバイオインクですが、GelMA系のバイオインクよりも広い温度範囲に耐えられるようにデザインされています。アルギン酸塩に敏感な細胞を使う際、GelXGは光硬化可能なバイオインクとして良い選択肢といえます。GelXGは明確なゲル化点を持ちません。すなわち弾性率曲線が交差せず、弾力性が高くプリント後に崩れにくいという性質を持ちます。

GelXA

GelXAはイオン、もしくは光で誘導する架橋結合に対応します。2種類の架橋が可能なので、ユーザーは各々の細胞種の環境に応じて構造の剛性を調整することができます(図20)。これにより組織特異的なモデルを用意して細胞-マトリックス間の相互作用や反応、例えば細胞の増殖、分化、移動などを観察することができます。GelXAを37℃までに加熱すると液化し、細胞に優しく懸濁できるようになります。

GelXA BONE

GelXA BONEはリン酸三カルシウムとヒドロキシアパタイト粒子を含んでおり、一種の骨形成誘導環境を生み出します。GelXA BONEでプリントした構造物は光による硬化、もしくは当社製イオン架橋剤の添加により架橋結合を誘導できます。骨細胞の分化は環境の剛性に依存しますが、ユーザーは架橋結合とそのタイミングについて異なった組み合せを試すことで、目的となる骨、軟骨細胞に合うようGelXA BONEの作用を最適化することができます。

GelXA SKIN

GelXA SKINは皮膚もしくは皮膚関連の組織モデルをつくるためにデザインされました。GelXA SKINは光硬化によりトロンビン、塩素化カルシウムと架橋します。また良好に分散したフィブリノゲンを含んでおり、生体内の創傷治癒プロセスによく似た環境を作ることができます。フィブリノゲンはトロンビンの作用によりフィブリンに変化し、安定なネットワークを形成して組織の修復を促進します。

GelXA FIBRIN

GelXA FIBRINはフィブリノゲンを含んでおり、生体内の創傷治癒プロセスによく似た環境をつくります。フィブリノゲンはトロンビンによりフィブリンに変化し、安定なネットワークを形成して組織の修復を促進します。ユーザーは光硬化の際に、プリントした構造の剛性を調整することができます。

GelXA LAMININK

GelXA LAMININKシリーズにはGelXA LAMININK 111、121、411、521、+があります。これらのバイオインクはそれぞれ異なるラミニンのアイソフォームを持ち、生体組織環境における基底膜に近い状態をつくります。ラミニンは細胞の分化、移動、接着に極めて重要であり、組織の健常状態の維持に寄与しています。GelXA LAMININKは組織の維持と生存性を強化するためにデザインされました。これらのバイオインクは細胞の生存率を大きく向上し、多くの細胞種において培養実験を開始するうえでの非常に良い出発点となります。

GelXA CARTILAGE

GelXA CARTILAGEは軟骨細胞による軟骨組織の形成・維持を促進するようデザインされています。ゼラチンが持つ豊かな細胞適合性を維持しつつ周囲条件に応じたバイオプリンティングを可能にし、しかも架橋により多様な機械特性を用意することができます。この特性を利用して細胞周辺のミクロ環境の剛性を調整し、軟骨のような硬い組織モデルを生み出すことが可能です。